さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、ときに心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海が現在危機に直面していることをご存知でしょうか?実は私たちの生活によるゴミの増加や気温上昇で、海を取り巻く環境は年々悪化しています。
さらに、日本の若者のあいだでは、海と触れ合う機会が減少し、海を取り巻く問題についても関心が低下しつつあるのが現実です。
こうした海の危機を解決するにはどうすればいいのでしょうか。
海を守るためには、まず海を知ることが重要です。
海の危機を解決するため、さまざまなプロジェクトが始まっています。

あなたの生活や行動は、実は海へつながっている

海を取り巻く問題はさまざまな種類があります。
まずはごみ問題。あなたは「海のごみの8割は、陸から来ている」という事実を知っていますか? つまり、海をきれいにすることは、海や浜辺に捨てられるごみを減らすだけでなく、まず我々が暮らす街をきれいにするところからはじまるのです。

世界的な人口増加の影響で、家庭で使用するガソリンや電気などの資源が増えています。そのことが原因で魚のエサであるプランクトンが減少し、当然魚の生息量も減りつつあります。日本財団の研究によれば、30年後には今の約半分になってしまうという調査結果もあります。
日本では「魚を食べること」は古くからの生活に根付いた文化です。しかし、このままでは30年後に日本近海で採れる魚は半分になるとも言われています。

若い人ほど海との絆が薄れている?

2017年7月13日、「海の日」を前に、日本財団は「
海と日本 調査結果
」を発表しました。「海水浴に行っている」トップは30代(17.0%) 10代は1割です。また、10代の4割は海に対して「とても親しみがある」とまでは感じていない傾向が明らかになりました。
【若い人ほど、海への親しみの感情が低い】
また、若い世代ほど「日常的に」「年に複数回」海に行ったと回答した人の割合が低く、10代、20代の6割が「年1日程度かそれ以下」となっています。なぜ若年層が海に対してあまり親しみを抱かなくなっているのでしょうか。

原因として考えられるのは、子ども(小学生)のころの海体験の減少です。同調査によれば、10代、20代の約6割が「子どものころに海に遊びに行った日数が少ない」と回答しています。他の世代と比べて「海水浴」「磯遊び」「潮干狩り」といった海の水に触れる身近な体験が減っていることがわかりました。また、10代~30代では海に一緒に行くのは「家族」と回答した方が多く、「学校」「子ども会」「地域の大人」「友達」といった、多様なつながりのもとに海を訪れる体験も減少しています。

実は、小学校6年間で一度も海に行ったことがない人に、海の生態系の変化や乱獲について「知らない」と回答した人が突出して多いということが同調査で明らかになっています。現在の海の問題は、海に触れる人が少なくなり、海に対して興味がない人が増えつつあるということが原因のひとつとなっているのかもしれません。

一方、子どものころから海によく行っている人は海の生態系の変化や乱獲について「事実をよく知っている」という回答が多いことも明らかになっています。きれいな海を次世代に引き継ぐためにはまず、未来を担う子どもたちが海を体験することがなにより大事です。

「海と日本PROJECT」って?

「海と日本PROJECT」は子どもたちと海との接点をつくり、きれいな海を次世代に引き継ぐための取り組みです。日本財団や政府の旗振りのもと、学校や地元企業、NPOなどオールジャパンで、2015年から前身の「海でつながるプロジェクト」としてスタートし、2017年で3年目を迎えています。

「海を学ぼう!」「海をキレイにしよう!」「海を味わおう!」「海を体験しよう!」「海を表現しよう!」という5つのアクションを推進し、その輪を広げていくためのイベントを全国で多数開催しています。2017年は約1,500のイベントを全国47都道府県で行われています。

「海と日本PROJECT」では具体的にどんなことをやっているのでしょうか。

たとえば、力士と一緒に海をきれいにする、親子で魚のさばき方を料理学校の先生に習うなど、子どもたちに向けて、楽しそうでやってみたくなる、また身近で自分ごとに置き換えられる体験を提供しています。

また、「日本さばけるプロジェクト」では、全国の調理師学校と連携し、魚がさばけるようになる体験を各地で提供しています。さばけることへの憧れや喜びという共感を掘り起こし、自らの手で魚に触れ、味わい、海の恩恵に想いを馳せる機会を広げています。
【さばける塾に参加する親子の様子】(
http://blog.canpan.info/nfkouhou/archive/985
今年、2017年にもさまざまなイベントの開催が予定されており、昨年まではなかった新しい取り組みもはじまっています。

たとえば、山形、静岡、山口、愛媛、鹿児島、沖縄の6県で子どもたちが海にまつわる職業体験を行う「シージョブキッズ」。次代の海洋研究者を育成するため、中高生研究者を支援する「マリンチャレンジプログラム」などの開催が新たに予定されています。マリンチャレンジプログラムとは、全国から海に関する研究に挑戦する中高生を募り、審査を経て選ばれたおよそ60の研究チームに対し、研究費を支給し研究に関するメンタリングまで行うという、日本で唯一の事業です。

夏休み期間、ますます盛り上がっていく「海と日本PROJECT」、皆さんも参加してみませんか?


<参考>
●プロジェクト公式サイト
「海と日本プロジェクト」


●プロジェクト紹介記事
「どすこいビーチクリーン」今夏もスタート

今年のイベントは思いっきり「海」に焦点

「海と日本PROJECT」見学プログラム始まる

「海と日本PROJECT」総合開会式開催

海に親しみをあまり感じていない10代は4割

Jリーグ7チームと連携、17年度LTO

日本初「釘のない海の家」開設へ

海と日本PROJECT2016