モデルという立場でありながら、外見に影響が出る「乾癬(かんせん)」という持病があることを公表した道端アンジェリカさん。SNS上での公表は大きな反響を呼び、乾癬という病気が社会に認知されるきっかけとなりました。「見た目の病気」を折り合いをつけ、自分らしさを表現している道端アンジェリカさんにお話を聞きました。

病名がわからず苦しむ日々

--乾癬の症状に悩むようになったのはいつ頃からですか?
アンジェリカ
 乾癬は慢性的な皮膚の病気で、症状も人によっても違うのですが、赤い発疹や紅斑(こうはん)ができたりします。
 最初に症状が出たのは6年くらい前。膝の裏と腰と肘に10円玉と500円玉くらいの大きさの紅斑ができて、最初はちょっと乾燥しているな…と感じたくらいで、それほど気にしておらず、まさか自分が病気だとは考えてもいなかったです。
 それが悪化したのが昨年の秋。足首を骨折して入院したのがきっかけでした。入院してから4カ月も大好きな運動がまったくできなくなって、すごくストレスを感じていたんですね。退院してから小さな発疹がどんどん増え、これまで症状が出なかったお腹にも出てきて、怖かったです。自分の肌を見たくなかったので、お風呂では電気をつけていなかったくらい。
 当時はなんの病気なのかわからずに悩んで、辛くて毎日のように泣いていました。
 そんなときにキム・カーダシアンという私の好きなアメリカのタレントが乾癬という皮膚の病気だと語っていたのを思い出し、調べてみると私の症状とまったく同じでした。
 その後、専門のお医者さんに診察を受けたところ、やはり乾癬であることが分かりました。
--皮膚の病気・乾癬にかかっていることをSNSで公表したのはなぜでしょうか。
アンジェリカ
 病名がわかって治療を始めた頃は、ごく親しい友人以外には乾癬のことは内緒にしていました。
 仕事でご一緒するヘアメイクさんにも「ちょっと肌が乾燥しているんだよね」と言ってごまかしたり、頭皮に症状が出ていたときは自分で髪の毛をセットして、「ちょっと用事があって髪の毛はセットしてきたからやらなくていいよ」と一切触らせないようにしたり。そういう嘘をずっとつき続けていました。
 症状がひどいときは、SNS上で「肌が汚い」といった悪口を書かれ、多くの人に叩かることがありました。
 そこで決めました。乾癬にかかっていることをきっちり公表しようと。
 もともと皮膚病のことを隠していることで、私自身もやもやしていたし、なにより本当のことを言わずに隠している自分がイヤでした。自分で自分を否定していることになりますよね。それが、すごく辛かったんです。
【乾癬であることを自らのインスタグラムで公表した】

想像とは違った公表に対するポジティブな反応

--SNSで乾癬のことを公表してどんな反響がありましたか。
アンジェリカ
 公表した当初はすごく怖かったです。病気を公表することで、人の目線が変わるわけですよね。「皮膚の病気の人」として見られてしまうのではないかと不安になりました。モデルのお仕事が減ってしまうのではないかとも思いました。
 しかし、実際の反応はまったく違うものでした。
 公表を見た人からは「言ってくれてありがとう」とか「全然知らなかったけど、頑張っているね」というポジティブな反応がほとんど。 
 70歳過ぎのおじいちゃんが「僕も30年くらい乾癬で、もうあきらめかけていたけれどアンジェリカちゃんが公表してくれて、勇気をもらった」とお手紙をくださいました。
 また、「アンジェリカさんのおかげで私も乾癬であることを言えるようになりました」という方も多かったです。乾癬はあまり知られていない病気なので、なかなか人に言いにくい面もあり、それで悩んでいたという方が多かったようです。
 さらに、私の公表をきっかけにテレビでも乾癬についての特集が組まれ、自身の病気が乾癬だとわかった人もいました。
 多くの方が皮膚の病気で人知れず悩んでいるということがよくわかりました。
 私自身は公表して気持がすごく軽くなり、みんなにも乾癬という病気のことを理解してもらえて、本当に良かったと思っています。
--乾癬の治療のためアンジェリカさんの生活はどのように変わりましたか?
アンジェリカ
 乾癬の完治は難しいのですが、飲み薬や塗り薬、そして注射などの治療によって症状を和らげることができます。ですからまずはお医者さんにかかることが大事ですね。
 治療には適度な運動や日光にあたるのも効果があり、食べ物では脂っこいものはよくないとされています。そしてなによりもストレスが大敵。
 だから、もともと好きな運動をやりながら日光浴もして、ストレスをためないようにしています。食事は以前から油っぽいものはあまり食べてなかったので、特に変わりません。前と同じようにオーガニックな野菜を食べたり、興味のあるスーパーフードを時々食べたり。治すというよりは上手に病気と付き合っていく形ですね。
 治療のためというわけではないのですが、昨年の冬から畑も始めました。農薬はいっさい使わず、オーガニックに野菜を育てています。
 でもなかなか畑に行けなかったため、雑草が生えた状態になってしまいました。オーガニックだと雑草の育ち方がすごい。
 それでもキャベツなどいろいろな野菜が採れました。周りを全部虫に食べられて、結局収穫時にはキャベツは小さくなってしまいましたが、すごく美味しかった。やっぱりオーガニックはおいしいです。まあ、自分で育てたものだからかもしれませんけれどね(笑)。
【自ら手入れを行うという畑の様子】

病気を恐れず自分らしく振る舞う

--乾癬の公表という経験でアンジェリカさん自身が大きく変わったことはありましたか?
アンジェリカ
 乾癬の公表をする前から、この1年私にとってはいろいろ転機となることが起きていました。骨折して入院したことをきっかけに自分とちゃんと向き合うチャンスができました。
 私は昔からネガティブで、特に20代は、いつも自分はダメだと思っていました。きっと皆さんがイメージしている私とは真逆だったと思いますよ。
 モデルやテレビの仕事で注目されるようになったけど、その裏で、いろいろイヤなことを言われることもありました。注目されたいと思っていたのですが、そのために本当の自分ではない、偽りの自分を演じていたのかも。
 自分がどうしたいかではなくて、人が期待するような自分を作ってしまっていたんです。それが原因で精神的にも肉体的にも限界にきているときに怪我をして、入院しました。
 骨折して、担架で運ばれながら「この体験にはなにか意味があるな」と考えていました(笑)。救急車で運ばれる途中、「いったん周りの目を気にしないで、1人の女の子としての自分に向き合ってあげたい」と心から思えたんです。
 それで少しずつ本当の自分を表に出していくようにしました。今になって考えてみると、乾癬にかかっていることを公表したのも、その一環だったのだと思います。
 本来の自分を出せるようになった結果、今はとてもポジティブになれました。
 周囲の目が気になって、自分を作っている人って多いと思います。そういう人に、私が悩んできたことや、どうやってポジティブになれたのかということが参考になればいいですね。
道端アンジェリカ
1985年12月5日 福井県出身 O型 道端三姉妹の三女。
様々なファッション誌をはじめ、ファッションショー、テレビ等で幅広く活躍している。
ダイエット検定1級プロフェッショナルアドバ イザーの資格を取得。
Sora×niwaFM『道端アンジェリカのHAPPY STYLE』毎週水曜13時より放送中。
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