Dive Diversity Session

【レポート】言葉の本質

2018/09/15(土) 14:00〜15:10

@Shibuya HIKARIE 8

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言葉を綴る。人と場所との関係性のなかに。

<登壇者>
作家・立教大学文学部教授
小野正嗣

[AIT/エイト]
ロジャー・マクドナルド
塩見有子

 

伝えるため、考えるために、日々わたしたちが使う言葉。
言葉で伝え、言葉を綴ることには、どのような力があるのでしょうか。

芥川賞作家の小野正嗣さんをゲストに招き、キュレーターのロジャー・マクドナルドさんと塩見有子さんが聞き手となって考えた「言葉の本質」。

聞き手の2人は、障害者のアート活動を中心に誰もが参加できるインクルーシブな社会の実現を目指す「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS」が、SOCIAL INNOVATION WEEK Shibuyaにあわせて開催した「ミュージアム・オブ・トゥギャザー サーカス」の監修を務めています。

アートと言葉の関係、そして「身体」や「場所」をキーワードに、言葉の力が語られました。

 

「沈黙」の語り方

アートと言葉は裏表の関係。しばしば芸術作品は言葉以外のチャネルを通して感じますが、それを言葉によって説明しなければいけないキュレーターの仕事はパラドックスだとロジャーさんは言います。
特に、言葉をもたないつくり手の作品を扱うような本展においては、彼らの「沈黙」をも言葉によって語らなければいけなかったといいます。

とはいえ、歴史にその価値を残すためには、やはり言葉が必要。

「本当の沈黙は『死』を意味する。でも、やっぱり芸術とは『命』の方向に向かうものです。キュレーターや批評家たちは、優れた作品が沈黙によって忘却されないように、言葉を紡いでいるといえるのかもしれません」と小野さんは話します。

それに対してロジャーさんは、必要な沈黙もあるのではないかと問います。
理解できない作品を目の前にしたときの、言葉にならない「もやもや」した状態も必要なのではないかと。

小野さんも、人間はつい「わかりやすい物語」を求めがちだけれど、理解を超えた作品とじっと向き合うことも大事だと話しました。

言葉・身体・場所

ミュージアム・オブ・トゥギャザーの作品を理解するためには、それぞれの作家がどんな身体性をもって、どんな環境で作品をつくっているのかを理解することが重要だったと塩見さんは言います。
作家たちの暮らす土地を訪ねることで、「地理のなかには、そこに生きる人の感情や生活がある」ことにあらためて気づいたとロジャーさんも振り返ります。

そうした「身体性」と「場所性」は、言葉を綴るときにも必ず関係するものだと小野さんは語りました。

「言葉を生むのは一人ひとりの身体ですけど、その身体はどこかの場所にあって、生きている。生きているということは、あらゆる関係性の網の目のなかにいるということです。
『テクスト=文章』という言葉が『テクスタイル=織物』から来ているように、書くということは、言葉を織ること。その糸がどこにつながっているのかというと、書き手のそばにいる他者であり、(言葉が生まれた)場所の文化や歴史につながっている。
どんな作品の背景にも、必ずそこに人間の身体があり、それを支えてくれる人や場所の存在があると思うんです」

 

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