Dive Diversity Session

【レポート】ソーシャルデザインの本質

2018/09/17(月・祝) 13:20〜14:40

@表参道ヒルズ スペースオー

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健常者と障がい者、高齢者の線引きがない社会作りは可能か。

<登壇者>
NTTサービスエボリューション研究所/主任研究員
デザインイノベーションコンソーシアム/フェロー
木村 篤信

世界ゆるスポーツ協会 代表
澤田 智洋

グリー株式会社、グリービジネスオペレーションズ株式会社 代表取締役社長
福田 智史

<モデレーター>
株式会社ロフトワーク 代表取締役
一般社団法人渋谷未来デザイン フューチャーデザイナー
林 千晶

 

課題を解消し、“価値のある良い社会”を作るには、町や地域、生活空間をデザインしていく必要があります。
「ソーシャルデザインの本質」をテーマにトークセッションに登壇したのは、それを企業側の人間として、多面的に考え、実行している4名。それぞれのユニークな自己紹介の段階から、すでに多くのヒントや新しい示唆がありました。

はじめに自己紹介をした澤田さんは、世界ゆるスポーツ協会の代表理事として、誰もが楽しめる新スポーツを提案。
たとえば、“一人500歩しかあるけないサッカー”。競技者は、万歩計のような装置をつけ、1歩走ったら数字が減り、一方3秒止まっていたら1歩分回復するというルールのもとサッカーを行います。
実は、この新スポーツはペースメーカーをつけた男の子のアイデアから生まれたもの。

「ほかに、車椅子ユーザーなど障がい者の方と一緒に開発したものも多い。僕は運動音痴というのもあり、弱さを起点にしたイノベーションを考えています。その弱みにどういう光をあてると強くなるか。そこで生まれる新しい価値を提案している」
と話します。

木村さんは、HCI、CSCW、UXデザインなどのデザイン分野の研究者。

「その一方で、認知症や福祉の取り組みで有名な福岡県大牟田市と一緒に「リビングラボ」の研究を行なっています。これは、“行政が地域の仕組みを作るときに、市民を巻き込んで一緒に作りましょう”という考え方で実行されるもの。
特に、ソーシャルデザインの課題は、目に見えている範囲での生活圏での課題。社会課題に取り組んでしまうと、生活者の課題とズレることもある」

と言い、「リビングラボ」による問題の把握や解決の重要性を強調。

グリーの特例子会社グリービジネスオペレーションズ株式会社の代表取締役、福田さんは、身体障がい者や精神障がい者が在籍する企業の経営者としての視点からコメント。

「特例子会社と聞くと、福祉のイメージがあると思いますが、われわれは営利企業。ビジネスとして成立していないと、会社は持続しないですから。
また、CRS的な利潤を社会に還元する、福祉に役立てるという従来の企業ではなく、経済価値と社会価値を同時に実現するための仕組みも考えています」

そして、今回のモデレーターである、株式会社ロフトワーク代表取締役の林さん
飛騨の森に新しい価値を生み出す企業、株式会社飛騨の森でクマは踊るの代表取締役も務めています。

彼女が音頭を取りながら、
「そもそもソーシャルデザインとは何か?」「社会のなかで分断されがちな障がい者や高齢者が活きる仕組みは?」と議題は進行。

そのなかで林さんは、従来は“弱い人を助けよう”というのが福祉の原動力だったが、違うモチベーションがあることを指摘しました。

その話を受けて澤田さんは、最近飲みに行く時は、決まって健常者でなく、障がい者の人を誘うようにしていると発言。
「それは、発見が多いから。“障がい者の人にはこう感じるのか”と驚いたり。健常者同士のコミュニケーションにはない“アナザーリアリティ”がある。それがすごく楽しい」。

また木村さんは、
「“できる”“できない”という1つの軸で評価して、“弱い人”を定義してしまうのは不自由。本人の生きがいに丁寧に寄り添い、ケイパビリティ(潜在能力)にアプローチすることが大切」。

福田さんは、自社では働くことに対する社員の満足度が高いことについて述べながら
「その人は何が得意で、何が苦手かを理解するため社員へのインタビューに時間をかけている。活かす方法を一緒に考える」と話しました。

 

トークは約80分。全体を通して、障がい者や高齢者などを線引きして外側へ追いやらず、ダイナミックにつながり合える社会づくりのヒントが提案されました。

 

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