【レポート】存在の本質

2018/09/16(日)17:00〜17:50

@EDGEof

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ロボットと人の関わりを探求し、人間という存在の本質を照らし出す

<登壇者>
大阪大学基礎工学研究科教授(栄誉教授)
ATR石黒浩特別研究室客員室長(ATRフェロー)
石黒 浩

 

自身そっくりなコピーロボットを含む、アンロイドを開発し、日常におけるロボットと人の関わり方を研究する石黒 浩さん。まさにロボット工学の世界的権威である石黒氏がその分野に足を踏み入れたのは、実は、人間という存在とは何かということに興味があったからと言います。

「誰もが録音した自分の声や、写真に写った顔が、思っていたものとは違い、戸惑ったことがあると思います。同じように、僕もここに存在しているという実感に違和感がありました。
人間というものは、自分の存在に明確な自信をもっていないもの。そのあやふやな存在は何かを知りたくて、自分とそっくりなコピーロボットを作ってきました」。

「存在の本質」という根源的な命題を掲げた石黒さんのトークは、ご自身のさまざまな研究事例を織り交ぜながら進められました。

たとえば、人と自然な会話ができる自律型のロボット「エリカ」や、人工生命の研究を駆使し人間らしさを追求したロボット「オルタ」。
抱き枕型通信メディアとして商品化されている「ハグビー」は、人が人だと認識できる最小限の形をしており、頭部分に携帯電話を挿入して使うもの。

「実際に、これを抱きながら電話の相手と対話すると、ストレスのホルモン数値が下がるという結果が出ました。人がもっとも安心するのは、人。だからロボットは人型であるのがいいのです。
そして、顔や手足のディテールがない『ハグビー』が証明するのは、人間は、存在を想像で補完できるということです」

また、通信機器を内蔵し遠隔操作が可能な「ジェミノイド」を紹介しながら、こんなお話も。

「脳波を使ってアンドロイドをコントロールするのですが、遠隔地にあるロボットの体が、きちんと自分の体のように感じられる。それは逆に、自分の体はロボットに置き換えることが可能だということ。
人間は将来、有機物ではなく無機物の知的生命体になるかもしれません」

最後に、ロボットのもたらす未来についても石黒氏はポジティブに言及。そしてこうトークを締めくくりました。

「人間が猿と違うのは、道具を使う点。道具、つまり技術なくして人間はありません。ロボットもそのひとつ。遺伝子よりも早く進化し、どんな体にもなれる。
ロボットのもたらす社会は、人間の存在について考えさせられると同時に、多様な可能性を享受できる社会だと私は思っています」

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