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レポート

教育から日本の未来を変える!? 地域教育の当事者が語る!若者の挑戦に溢れる未来が実現するのか??

2019/11/30(土)17:00〜18:30

2020.01.20
<登壇者>
岩本 悠さん(一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム共同代表)
今村 久美さん(一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム共同代表)
大辻 雄介さん(NPO法人SOMA副代表理事、高知県立嶺北高校教育振興コーディネーター、総務省地域情報化アドバイザー)
若新 雄純さん(慶應義塾大学特任准教授、株式会社NEWYOUTH代表取締役)
俵谷 俊彦さん(北海道鹿追高等学校 校長)
山本 洋平さん(株式会社博報堂ストラテジックプランニングディレクター)
野田香織さん(NPO法人ETICコーディネーター)
前田 陽汰さん(慶應義塾大学総合政策学部1年)
水谷 智之さん(一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事)

若者の挑戦意欲や社会参画の機会の減少が課題

教育から日本の未来を変える!?


本セッションでは学生、卒業生、教師、保護者問わず、地域教育の当事者たちが若者の挑戦が溢れている社会を作る事をテーマに開催されました。登壇者そして会場で耳を傾ける参加者も含め、この場にいる参加者全員がU18世代の抱える課題を「ジブンゴト」化し、何が出来るのかを考えていきます。

モデレーターの今村さんは、3年前のソーシャルイノベーションフォーラムにて同じく登壇者の岩本さんと「新しい教育の流れを作っていこう」と話し合ったことをきっかけに取り組みが始まったと語りました。現在は、学校と地域社会と生徒たちと繋ぐコーディネーターと呼ばれる役割を導入し、偏差値枠や地域枠に囚われず自ら学ぶ場を選ぶ地域留学制度「地域みらい留学」に取り組んでいます。そんな岩本さんは、日本財団が公表した「若者の国や社会に対する調査結果」を見てとても驚いたと話しました。

地域から始まる学校魅力化の波

ほとんどの若者がこの国の未来に希望が持てないと答えた結果を受け、俵谷さんは北海道の奥尻島にある奥尻高等学校長時代に得た経験から問題解決の糸口を探りました。赴任時の奥尻高等学校は慢性的な生徒不足に陥っており統廃合から逃れる為、町立移管という思い切った施策を選択。島根県の隠岐島前高校で魅力化計画に取り組む岩本さんたちの存在を知り、誇りと喜びを持って通えるそんな魅力ある学校を創り出すことに取り組んだそう。「今の日本にも同じ事が言えるのではないか」と俵谷さんは訴えました。

次に高知県の嶺北高校で「高校魅力化プロジェクト」コーディネーターを務める大辻さんも同じ様な状況だったと語りました。人と繋がり関わり合う学び方に注目した大辻さんは、遠隔学習システムの活用を思いつきます。地域問題を離れた場所の他校の生徒と一緒に話し合ったり、都市圏に住む教師がオンライン上で授業ができる、地域同士をリアルタイムで繋ぐ仕組みを導入しました。こうした多様性を用いた仕組みこそ、若者意識を変える必要な感覚だと熱く語りました。

大人たちが意識高い系を生み出している

多角的な側面から若者たちと関わる若新さんは先述の2人と違った側面から若者の意識改革と教育魅力化に切り込みます。福井県鯖江市の市役所内に地元のJK(女子高生)たちを中心に地元のさまざまな団体や企業、地域メディアと連携しながら自分たちの町を楽しむ企画や活動を行う「鯖江市役所JK課」を発足。発足当時を振り返り、第三者や大人たちが点数をつけたり評価を行う現行の社会に疑問を呈しました。そして、学びたい人だけが学ぶ環境ではなく、学びたくないと思っている人も結果的に学べる環境が重要だと呼びかけました。

続いて、隠岐島前高校で地域留学を体験した前田さんと、お子さんを隠岐島前高校に送り出した野田さんが登壇。今年3月に卒業したばかりの前田さんは釣りが大好きで東京から地域留学しましたが、島の生活に馴染むにつれ釣りよりも面白いことが見つかったと言います。それは地域活性化以外の選択肢で島を良くする取り組みで、「移住者や団体が手掛ける地域活性化活動には、ただ活動側のエゴでしかならない物も沢山ある」と話します。
同じく島根県に娘さんを送り出した野田さん。娘さんが高校2年生の時にインドネシア留学も経験したそう。国内外問わずさまざまな場所で学んだ娘さんは、日本の若者があるタイミングで全員大学進学に向かう姿を見て日本の同質性の異常さに気づいたそう。だからこそ「異質性の中へ自ら飛び込むことが大事」と語りました。

主体性やチャレンジ、失敗が称賛される土壌

前田さんと野田さんの話に大きく頷いた岩本さんは、非認知的な能力やペーパー試験には現れない部分の重要性を強調します。その為には「主体性やチャレンジを否定しない、失敗が称賛されるような土壌が必要」と力説しました。
最後に地域教育魅力化プラットフォームの代表理事、水谷さんが登壇。リクルートで長く人材ビジネスに携わってきた水谷さんは、積もりに積もった感情が2つ存在すると話しました。一つは地域から人材を都会に向けて吸い上げるだけのビジネスを繰り返し続けていたこと、もう一つは社会に出たらその訓練や達成度だけでは本当は全く通用しないということです。しかし、それを子どもたちに伝える場が今の教育制度の中には存在しないことへのジレンマが、活動を続ける原動力になっていると言います。そして「大切なことは、地域の為に、若者たちの為に、日本の将来の為に、継続すること」と語りセッションは終了しました。