REPORT
レポート

いろとりどりな家族のカタチ 結婚・出産しなくても家族になれる時代に私が選ぶのは?

2019/11/30(土) 10:00〜12:00

2019.12.10
結婚・出産しなくても家族になれる時代の多様な選択肢?

いろとりどりな家族のカタチ~ 結婚・出産しなくても家族になれる時代に私が選ぶのは?
<登壇者>
山田 昌弘さん(中央大学文学部教授)
江口 晋太朗さん(株式会社トーキョーベータ代表取締役)
藤 めぐみさん(一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事)
<日本財団ディレクター>
新田 歌奈子


あなたには理想の結婚や家族のカタチはありますか。『結婚不要社会』の著者であり、パラサイトシングル、格差社会、婚活の名付け親でもある山田さん、事実婚の当事者でもある江口さん、自治体における「同性カップルの里親」の運用改善に取り組み、大阪市での同性カップル里親認定への道を開いた藤さんら、3人の登壇者たちによって語られた。

家族の多様性を受け入れ、社会環境の整備を

山田さんは「夫婦は結婚して子どもがいて、婚姻関係がずっと続いていくというのが普通だったが、ここ30年で大きく変わった」と切り出します。男性の収入が上がっていく前提でほとんどの人が決まったライフコースを歩んできましたが、オイルショック後、晩婚化、パラサイトシングルが増加。1995年くらいから経済が大きく変わり、女性の正社員が増え、逆に男性の正社員が減少するように。さらには離婚が当たり前の社会になると、「結婚したくてもできない、いつするかわからない、いつまでしていられるかさえわからない」といった結婚へのリスクという問題も現れるようになったと言います。
現代では、恋愛する人も減り、メイドカフェのようなバーチャルな家族も一つの選択肢として考えられています。一方で、夫婦に子ども2人という過去の典型的な家族からはみ出ることを想定できていないので、社会、法整備、社会保障の支えが必要であるとまとめました。

事実婚という選択肢

江口さんは「事実婚の実体験者だからこそ語れることがある」と言います。今の時代でも、男女格差、女性同士でも出産の有無で格差があるのが事実です。「子育て問題は家族の問題なのではないだろうか?」と投げかけます。
江口さんが事実婚を選択したのは夫婦別姓を希望したから。改姓におけるトラブルは多々あり、働く女性の77%が別姓に賛成しているのにもかかわらず、事実婚の夫婦は子どもを持ちづらい社会制度となっています。
近年、控除を推進しようという動きはあるが、不妊治療の助成がない等、事実婚による弊害、不利益があることは事実。そのため、江口さんは手続きが面倒な公正証書などで事実婚契約をしていると言います。

「LGBT」と「社会的養護」、理解不足と法整備の遅れ

「日本は先進国の中で里親委託率が極端に低い」と提議した藤さん。会場内で「LGBT」と「社会的養護」の認知度を聞くと、ほとんどが「LGBT」を知っているのに対して、「社会的養護」は数名しか知らないという結果に。
藤さんは「LGBTも里親に!」という取り組みをしています。海外は全ての里親の3%がゲイ・レズビアンなのに、日本で同性カップル里親がいない理由は、社会的認知が少なく、誤解された情報が蔓延しているからだと言います。大阪市で男性カップルが里親となり、全国に希望を与えた事例もあり、2018年10月からは東京都でも可能になりました。しかし、未だに、LGBTであることで児童養護施設の受け入れ拒否等、許容の狭いのが現実だそう。
「里親として思うことは、子どもには、自分だけを見てくれる大人が必要ということ」。子どもは愛情を持って育ててくれる大人、チームを必要としていて、それは同性カップルでもトランスジェンダーでも何もかわらないと締めくくりました。


「いろとりどりな家族のカタチの理想の未来像」は、時代の流れに沿って要求が変化していくのに対し、それぞれの幸せなカタチを模索できる自由な制度や環境があることではないでしょうか。そのためには、他人事ではなく、私たち一人ひとりが自分事として、選択する意識が必要です。