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レポート

育児ストレスは、もういらない 「つらい」から「楽しい」育児に変えるためのアクション

2019/11/30(土)13:00〜15:00

2019.12.17
「つらい」から「楽しい」育児に変えるためのアクション

育児ストレスは、もういらない 「つらい」から「楽しい」育児に変えるためのアクション

<登壇者>
湯浅 大資さん(コネヒト株式会社 ママリ編集長 事業開発室)
服部 伴之さん(株式会社ファーストアセント 代表取締役)
青木 博美さん(ベビーマッサージ教室「Step by Step」、保育士・ベビーマッサージ講師)
<日本財団ディレクター>
枡方 瑞恵


「育児ストレスはなくせるか?」をテーマに育児世帯のマイノリティ化、核家族化の進行、親族ネットワークが弱い都心部の現状、親世代の価値観の変化とミレニアル世代の新しい価値観など時代の変化を背景に加速する育児ストレスの原因を客観的に把握して、明日からの育児をもっとハッピーにするために自分たちにできることを考えてみよう!とこのセッションは始まりました。

夫婦間のコミュニケーションが不安や不満を軽減

まず、日本財団とコネヒト株式会社(「変えよう、ママリと」)の共同調査結果について、登壇者の湯浅さんより発表がありました。調査結果によると、ママの約6割が育児の心理的・身体的負担を感じているほか、夫(パートナー)と「家事や育児のタスクの見える化ができている」、「育児や家事の役割分担やお互いの要望について話し合う場を持っている」と答えたママは半数以下に留まることが分かったと説明。育児に対するストレスを軽減するには、視野を広げストレスを客観視してみること、そして夫婦間のコミュニケーションによるストレスの見える化が大事なのでは?と問いかけます。
そして、パパの育休取得期間は1ヵ月未満が多く、3人に1人が、育児・家事に従事する時間が1日2時間以下であるということが判明。さらに、ママの満足度を比較すると、育休を取ったとしてもパパの家事・育児時間が2時間以下の場合、育休を取らなかった時より満足度が低く、5時間以上の場合は満足度が高いことがわかりました。
このことから、育児ストレスの原因は多様であるために、夫婦間でお互いの育児スタイルやスタンスを日頃から話し合い、認識を擦り合わせるためにコミュニケーションを多くとることが育児ストレスを軽減するひとつの方法なのではという提案がされました。

テクノロジーで育児を楽しく変えたい

服部さんは「テクノロジーで子育てを変える」というミッションを掲げています。きっかけは自身の子育て。ネットで見ても情報が少ないことに不便を感じ、幼児の情報を集めた「育児ビッグデータ」を使ったアプリ「パパッと育児@赤ちゃん手帳」(Baby Tech Award Japan 2019 健康管理部門 大賞受賞、健やか親子21におけるアワード厚生労働大臣賞受賞)が生まれたそう。20万人の幼児のデータを基に成育医療研究センターと共同開発したアルゴリズムで、「食事排泄のタイミング予測」「泣き声からの感情分析」「生育時期に合った適切なメッセージの配信」「夜間モニタリングした夜泣きに関するデータが翌朝パパの携帯電話に届く」など、テクノロジーを使ったさまざまな育児支援アプリの開発が進んでいます。
「パパが自然と育児に参加してしまうような仕組みを作っていけたらいいな」と語り、アプリによるタスクの見える化で育児のストレスを楽しく減らしたいと締めくくりました。

「時代が変わっても親子のふれあいの大切さは変わらない」

「ベビーマッサージは親子のふれあいを一番の目的にしています。触れ合うことで幸福感、安心感を与える」と語るのは青木さん。幼児期のスキンシップが成長後の人格形成に大きな影響があると語ります。出産後に娘の病気、産後うつ、孤独な子育てを経験したことで、ベビーマッサージと出会った青木さん。始めてみると、マッサージをしながら触れ合うだけで、子どもが喜ぶことを知ったそう。
すると「パパもベビーマッサージを!」と、パパにも参加を促すママが増えたとか。
「パパと赤ちゃんが仲良くするのはママにとっても嬉しいことなんですよ」と青木さん。父性は備わっているものではなく、触れ合って芽生えるもの。どんなに時代が変わっても親子の触れ合いの大切さは変わらないと話します。
そして、育児中は助けてもらっていい、アプリの助けも借りて、前向きに手抜きして余裕を持つこと。そして、その子なりの成長を大切に見てあげることが大切と、頑張りすぎない育児への提案がありました。
「ふれあい遊びをやってみよう」と題し、青木さんによるベビーマッサージのポイント解説もありました。

後半は、参加者同士が対話をしながら育児ストレスについて深く考えるワークの時間となりました。
この中で、「せっかく作った離乳食なのだから全部食べて欲しい」、「時間がないのだから言うことを聞いて欲しい」など、子どもではなく大人の気持ちが優先されて起きてしまう育児における「〜になって欲しい現象」や「ママは良妻賢母であるべき」「子どもにはスマホは避けるべき」といった「〜すべき論」などの例示がありました。これらはママやパパのストレスになっている要素のひとつであり、これらを除外してみたときに見えてくる「本当に優先させたい育児の目的は何だろう」という問いかけに、参加者は普段の生活を振り返り、意見をシェアしていました。
また、「20年後、育児ストレスがなくなるには社会・地域・企業・サービスはどうなったら(どうあったら)いいと思うか?」という問いに対しては、「気軽に集える場所があると良い」「育児世帯以外を巻き込む仕掛けが欲しい」「べき論だけで語らない、寛容な社会になってほしい」「アプリやサービスの認知度が高く、当たり前に簡単に使える世の中になってほしい」「子育て奨学金 若い夫婦に向けた制度があってもいいのでは?」など、さまざまな意見が出されました。

最後は参加者全員で記念撮影。
「私の一歩宣言」と題し、多くの人が育児に積極的に向き合い、協力し合う社会に向けて明日から何ができるかを考え記入したフリップを持っての撮影となりました。