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レポート

運転しない選択、外出する自由 まだまだ元気な地元の両親、「いつか」のためにできること

2019/12/1(日)10:00~12:00

2019.12.19
高齢者の移動問題をどう解決するのか

運転しない選択、外出する自由 まだまだ元気な地元の両親、「いつか」のためにできること
<登壇者>
金澤 一行さん(株式会社PUBULICUS代表取締役)
原田 博一さん(株式会社イミカ代表取締役)
<日本財団ディレクター>
正木 宏幸


高齢ドライバーによる事故が連日報道される中、2018年に自主的に免許を返納した人の数は約40万人。主な交通手段が車の「地元」では交通弱者が増加する恐れがあります。本セッションでは地域を取り巻く交通問題について課題を明らかにし、地域、家族にできることを考えました。

高齢化による交通問題

日本の自動車技術は発達していますが、自力での移動が困難な高齢者など交通弱者の対策は遅れをとっている状態です。金澤さんは、「車は自動運転の技術は向上していますが、自動運転と無人運転は違うものであり、高齢者が本当に必要としているのは無人運転なのです」と訴え、「現在、車の無人運転の技術は発展途上であり、たとえ技術が確立されても無人運転はさまざまな国際条約で禁止されているため、条約の改定が必須になります」と、問題が山積していることを強調します。
それならタクシーを利用する、という選択肢がありますが、費用などの問題から一筋縄ではいかないのが現状。「公共交通空白地である地域に限っては一般人が有償運送をできる仕組みがありますが、地域の足として普及させるには地域住民の組織化が必要。また既存のライドシェアはスマホが必須となるが、後期高齢者のスマホ普及率は低く、いずれも困難な問題です」。少なくとも団塊の世代が後期高齢者になる2025年に無人運転が実現されていることは期待できず、有人の自動運転では費用がかかり、国、自治体の財政的な猶予は少ないなど、多くの課題を上げました。

地域の力でできること

これらの問題に対して「生活者」として人を動かし、解決するために地域内でのサービスを作ってみてはと、金澤さんは来場者に投げかけました。
金澤さん自身も鳥取のある地域でヒアリングを行い、買い物難民対策としてみんなでスーパーに行く「買い物ツアー」を実現。その経験から「地域内サービスを考える上で大事なのは利用者が使いたくなるような気持ちに訴える仕組みが必要であり、利用する人の尊厳を守ること」と語ります。そして必要なのは「熱意と方法」と語り、「コツは楽しむこと、それには困ってる人が喜んでくれることが大切」と、地域活動に関心のある人を集め、課題を見つけ動き出すという活動を推進しました。

一人ひとりができること

本セッション終盤には来場者のグループワークが行われ、地域の課題に対する自らの「はじめの一歩」となるアクションとして、「地元地域の状況を知る」「両親が関わるコミュニティに自分も積極的に関わる」など多くの意見が出されました。
総括として原田さんからは「自分の生活が優先されるのは致し方なく、自分が動く以外の仕組みを考えることが重要です。些細なことでもできることから動きはじめ、継続するために企業や自治体の協力を仰ぐという判断も有効です。大事なのは立派な計画や構想よりも、小さな意思と結果だと思います」と締めくくりました。