REPORT
レポート

私たちのおひとりさま計画 「なんとなく不安」の正体を未来のヒントに

2019/12/1(日)13:00~15:00

2019.12.17
「ひとり」を幸せに生きていくためにできることは

私たちのおひとりさま計画 「なんとなく不安」の正体を未来のヒントに

<登壇者>
荒川 和久さん(株式会社博報堂ソロもんラボ リーダー)
長谷川 大さん(NPO法人街ing本郷 代表理事)
山本 雅也さん(株式会社キッチハイク共同代表 COO)
<日本財団ディレクター>
岡 麻美


シングルという選択をする人の増加、離婚率の上昇、死別後の単身の長期化など、20年後には日本人の2人に1人が単身者という時代を迎えると言われています。本セッションでは、そんな未来に向けて3名の登壇者が「ひとり」の日々を豊かにするためのヒントやツールをお話しされました。

増え続ける「シングル」

日本の独身率は年々増え続け、その数は人口の約半数。高齢者よりも独身者が多く、さらに未婚率も高いというデータがあります。また孤独死しているのはほぼ元既婚者で、男性は離婚すると自殺率が高くなるという現実もあります。さらには、2100年には日本の人口が、現在の約半分の6000万人になるとも言われています。
荒川さんは「それらの現象は、絶望の未来なのでしょうか」と切り出し、「実は江戸時代も同じように独身者は多く、離婚率は同じというデータがあります。独身者が多かったために江戸時代は寿司、居酒屋などの食文化が栄えたという説もあります」と、問題は単身者の多さではなく「今は昔と比べて家族、地域、職場の人間関係が薄れてきている」ことに焦点を置きました。

所属ではなく接続するコミュニティ

人との繋がりが大事という意見を耳にすることが多い昨今。しかし荒川さんは「友だちを作ることではなく、重要なのは自分の中の多様性を見出すこと。誰かと繋がった分だけ新しい自分が生まれるということを大事にしなければならない」と新たな視点を提案します。そして、「自立とは誰の力も頼らず自分の足だけで立つことなのか?それこそ孤立なのではないでしょうか」と投げかけ、コミュニティに所属するのではなく、コミュニティと「接続する」という考えをもつことが大事になるのではないかと提案しました。

シニアと若者の共生を目指す

「シングル」が増え続ける中、長谷川さんは、地域の単身の学生と高齢者が一緒に暮らす「ひとつ屋根の下プロジェクト」という活動をしています。現在2家族が共生しているそうです。「単身者の高齢者と若者が暮らすことで地域と結びつくきっかけとなり、街ぐるみで新しい共生の関係を目指すことができます」と話しました。単身者の孤立感の解消や生きがいづくりなどの問題に取り組み、このプロジェクトを幅広く広めたいと語りました。

知らない人と好きなものを食べる

山本さんは「食でつながる暮らしをつくる」を理念にグルメアプリを開発。「みんなでごはんをたべよう」と活動しています。
世界中を旅し、食べ歩きを経験した山本さんは、「食を通じて人との距離が縮まり、そこから繋がりができるようになりました。他者と繋がりをもつ時には、共に食事をすることが重要と感じています」と語り、食という行為から、見ず知らずの人と繋がる“キッチハイク”を多くの人に知ってもらいたいと投げかけました。

来場者はグループで「”ひとり”でも”孤独”じゃないとは」をテーマに対話。「孤独とは考え方次第なのではないか」「自分の中の多様性を見つけられれば孤独感はなくなりそう」「充足感があれば孤独ではないのではないか」との声があがりました。

登壇者のお話に着想を得て、「ひとり」の生き方について参加者それぞれにヒントを得られたセッションとなりました。