REPORT
レポート

日本財団ソーシャルイノベーションアワード2019

2019/12/1(日)13:00~17:00

2020.01.06
【選考委員】
小林 りん 氏(ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事)
鈴木 雅剛 氏(株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役副社長)
笹川 順平(日本財団常務理事)

<日本財団ディレクター>
花岡 隼人


6つの要件を備えたソーシャルイノベーターたち

アワード2019

大盛況の中、最終日を迎えた日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2019。最終日には日本財団が社会課題解決の為に日本中から革新的な人材やチーム、卓越したプロジェクトを公募し選考した優秀者をソーシャルイノベーターとして表彰する「日本財団ソーシャルイノベーションアワード2019」が開催されました。

日本財団がソーシャルイノベーターに求める要件は以下の6つ。

○既成概念に囚われない発想で社会問題を解決するビジョンを有すること
○ビジョン実現の為に革新的なアイデアを有すること
○アイデアを実践・継続・発展させる戦略を有すること
○社会課題解決に向けた強い意欲とプロジェクトを遂行する覚悟を有すること
○セクターを超えたチームを組成し、共通認識や利害関係の調整を行い、マルチセクターの共同実現をする能力を有すること
○自らの活動を積極的に発信し、内外の協力を引き出す訴求力及び説得力を有すること

以上の要件を踏まえ今年は131組の応募者の中から10組のファイナリストたちが選出されました。その中から最優秀賞(活動奨励金1,000万円)、優秀賞(活動奨励金500万円)が決まります。

思いの詰まったプレゼンテーション

1.「ENERGY BLOCK」
  Energy Block 佐藤美和子さん
  (アフリカの電気のない地域に電気のある生活を届けるスマートバッテリー)

2.「ローカル地域の難聴児にオンライン家庭教師を届ける」
  NPO法人Silent Voice 尾中友哉さん
  (難聴児向けオンライン家庭教師マッチングサービス)

3.「デイサービスの送迎車を相乗りし、交通弱者を支援する【福祉Mover】」
  一般社団法人ソーシャルアクション機構 北島史誉さん
  (デイサービス送迎車の相乗りによる交通弱者への移動支援システム)

4.「「あしらせ」 みちびきを活用した視覚障がい者向け歩行支援センスウェア」
  SensinGood Lab. 千野歩さん
  (視覚障害者向け歩行支援インソール型ウェラブルデバイス)

5.「転んだときだけ柔らかいジョイントマット「ころやわ」」
  株式会社Magic Shields 下村明司さん
  (転んだときだけ柔らかくなる、転倒骨折を防ぐジョイントマット)

6.「クラウドロー(Crowdlaw)・プラットフォーム Pnika」
  一般社団法人Pnika 隅屋輝佳さん
  (イノベーションを加速させる、ルールアップデート支援プラットフォーム )

7.「外国人材が活躍できる日本へ!AIを活用した日本語会話トレーニングおよび就業支援プロジェクト」
  株式会社NTTドコモ 小栗伸さん
  (AIを活用した日本で働きたい外国人向け日本語会話学習ツール)

8.「機能性昆虫食「シルクフード」」
  エリー株式会社 梶栗隆弘さん
  (人口増加による食糧不足を見据えた機能性昆虫食)

9.「人や環境に安全なスマート農薬の開発」
  株式会社アグロデザイン・スタジオ 西ヶ谷有輝さん
  (撒けば撒くほど環境負荷が減る農薬)

10.「&HAND やさしさから やさしさが生まれる社会へ」
  一般社団法人 PLAYERS タキザワケイタさん
  (外出困難者とそれを助ける人をマッチングする互助行動促進サービス)

ファイナリストたちによるプレゼンテーションが終わるたび、会場はその革新的なアイデアへの驚きとファイナリストの事業にかける熱い思いに対する感動に包まれました。今年のファイナリストは非常にレベルが高く選考も難航。選考査員の一人、日本財団常務理事の笹川から急遽、審査員特別賞を設けた事が告げられると、会場では驚きの声が上がり、そのような中で受賞式が始まりました。


–最優秀賞–
【ローカル地域の難聴児にオンライン家庭教師を届ける】
NPO法人Silent Voice代表理事 尾中友哉さん

壇上にプレゼンテーターの尾中さんと共に手話通訳者が登場。音声会話が困難な難聴児と難聴学習に長けたスキルを持つ講師をWEB上でマッチングし、ビデオチャットにて学習支援を行うシステムをプレゼンしました。難聴障害を持った両親の間に生まれた尾中さんは「現状の教育システムは健常者に対して出来た仕組み。音を取れる前提の仕組みでは難聴児向けの教育は不可能だ。難聴児の周りの大人たちがそれを理解していくことが必要だ」と力説。

それを受けて選考委員の小林りん氏は松下幸之助の「成功する人は諦めない人」という言葉を挙げ、「自身の体験に基づいた強い信念で活動をしていることに心が震えた」とコメント。

最後に笹川の「成功というのは金儲けをすることではない。社会のために一歩踏み出し、多くの人を勇気づけたり導いたりすること。そしてその活動を通して『私はやりました』と胸を張って世界に言えることだと思う。そのような成功によって『みんながみんなを支える社会』が実現していく。本日、賞を取った方もそうで無かった人も含め、日本財団も失敗を恐れず諦める事なく突き進むソーシャルイノベーターたちを支えていきたい」という熱いコメントで日本財団ソーシャルイノベーションアワード2019は幕を下ろしました。


その他、優秀賞及び審査員特別賞

優秀賞
【人や環境に安全なスマート農薬】
株式会社アクロデザイン・スタジオ/代表取締役社長 西ケ谷有輝さん

審査員特別賞
【デイサービスの送迎車を相乗りし、交通弱者を支援する【福祉Mover】】
一般社団法人ソーシャルアクション機構/代表理事 北嶋史誉さん