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レポート

令和時代の幸福論 わたしたちが選べる幸せのかたち~〈ウェルビーイング〉の最先端

2019/11/30(土)10:00~12:00

2019.12.27
あなたにとっての「幸せ」とは?を考える時間

令和時代の幸福論 わたしたちが選べる幸せのかたち~〈ウェルビーイング〉の最先端

<登壇者>
石川 善樹さん(予防医学研究者)
椿 秀洋さん(前駐ボリビア特命全権大使)
大林 教善さん(一般社団法人四国八十八ヶ所霊場会会長)
<日本財団ディレクター>
真野 優


本セッションは「幸せな状態(ウェルビーイング)」とは何か?がテーマ。真野さんから「一度きりの人生、自分だけの基準であなただけの(ウェルビーイング)を見つけてみませんか」との投げかけがあり、多様な観点から幸せについて論じられました。

良い時間の過ごし方

日本の経済が豊かになりGDP(国内総生産)は上がっている中、日本人のウェルビーイング(幸せ)は変わっていないというデータがあります。予防医学研究者の石川さんは「人類は長い歴史の中で平均寿命が上がり、日本は途上国から先進国に変わった世界でも数少ない国です。なのになぜ、人々は主観的な豊かさ、幸せを感じられないのか?」と問い、普段どのように時間を使っているのか、豊かな時間を過ごせているのかということに着目しました。
「生活が豊かになっても、ネガティブな時間は変わらず、ポジティブな時間が減り、ボーっとしている時間が増えた、というデータもあります。つまり時間の過ごし方が良くないと充足感を感じられないのです。便利な生活になればなるほど、どう過ごしたら良い時間の過ごし方になるのかということを考える必要が出てくるのです。
まず一日や一週間をどう過ごすかを考えることで、そこに幸せ「ウェルビーイング」のヒントがあるのではないでしょうか。」と語りました。

ボリビアから学ぶ「スマ・カマーニャ」

前駐ボリビア特命全権大使の椿さんは、南米ボリビアの先住民アイマラ族の「スマ・カマーニャ」という概念から幸福論を論じられました。
「スマ・カマーニャ」は、簡素かつ多様な生活の中で愛情に満ち、誰も疎外せず人々が分かち合いながら、競争を避け、自然の一部として生きるということを重視しています。この考えはボリビアの憲法にも登場し、先住民の行動様式として謳われており、彼らは戦争を否定し、話し合いで解決を行ない、コミュニケーションを推奨し続けています。
「『スマ・カマーニャ』で最も優先していることは生命。お金でも人間でもありません。この『スマ・カマーニャ』はすべての人に通じる概念であり、現代の日本の人々が抱える不幸な考え方から抜け出る手助けになるのではないでしょうか。」と椿さんは話します。 幸せは待っていても得られない 大林さんは「幸せ」とはどういうものなのかを考える上でのヒントとして、四国に伝統的にある「四国遍路」について語られました。 「お遍路は誰からも強制されず、自分の意志で回るので、誰とも競うことなく道を進むもの。長い旅路の中で考えを巡らし自分自身を見つめるうち、普段生活の中で気づかないことに感謝ができるようになります。」と語る大林さん。総距離1000km以上にもなる巡礼中には、多くの自然に触れることができ、言葉で説明のつかないような感動を味わえ、自分自身の力で成し遂げた時には、満足感、達成感が得られ、自然と感謝の気持ちが湧いてくるとか。
「幸せは待っていても訪れない。自分自身が動き行動を起こさないといけない」、それを感じる手段の一つとしてお遍路があると大林さんは話し、来場者すべての人に向けて四国遍路の魅力を紹介しました。

最後に参加者同士で今日の振り返りを行い、新しい発見や気付いた点を話し合いました。また、「異なる国や文化の中で幸せにやっていくには?」という会場からの質問に、石川さんから「幸せを考えることには相手の言葉を知り、相手の文化に飛び込み、体験することが重要」と締めくくられました。

あなたの「幸せ」が行動につながり、社会を変えられる

誰かが決めた基準や調査によって決められた「幸せ」ではなく、わたしたち一人ひとりが自らの「幸せ」について自覚的に生きることによって、社会を変えていく原動力となるのではないでしょうか。