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レポート

MOTTAINAIにっぽんの海辺 ステキな海辺はどこが違う?みんなで描く未来の海街Days

2019/12/1(日) 10:00~12:00

2019.12.20
海に囲まれた島国だからこそ、これからの海辺について考える

MOTTAINAIにっぽんの海辺 ステキな海辺はどこが違う?みんなで描く未来の海街Days
<登壇者>
天倉 辰己さん(日生町漁業協同組合 専務理事)
寺田 真紀夫さん(ristorante Terada オーナーシェフ)
岡野 隆宏さん(環境省大臣官房環境計画課企画調査室長)
広石 拓司さん(株式会社エンパブリック代表取締役)
<日本財団ディレクター>
藤重 香弥子


近年、温暖化や生態系の劣化、海洋プラスチックゴミといった環境の危機から、違法漁業、生活の変化などにより日本人の海との関わり方が希薄になり、海辺の過疎化が進んでいます。海辺には食物資源、街づくりや人づくりといった生活文化まで多様な可能性があるのに「このままではMOTTAINAI!」と藤重さんの投げかけでスタート。実際に海に関わる活動をしている天倉さん、寺田さん、岡野さん、広石さんの4人のゲストを迎え、日本の海の多様性とこれからの海辺の未来について話が展開されました。

現在の海辺で、それぞれの活動

環境省でサンゴ礁の保全など様々な環境問題に取り組んできた岡野さんは「SDGs」と「パリ協定」を例にあげ「世界的な意識で地球のイノベーションが必要。海を自然資本と捉え直し、暮らしに役立つ豊かさに変えていかなければならない」と語ります。

天倉さんは漁業が盛んな瀬戸内海の岡山県倉敷市日生町(ひなせちょう)でアマモの減少に伴う海の危機を感じ、アマモ場再生の活動を30年以上続けてきたなかで、次の世代を考えた海洋学習活動に幅広い世代から参加してもらい、体験してもらうことで「海を身近に感じてもらえるのでは」と海の環境改善だけでなく、人々の意識にも影響を与える活動に取り組んでいます。

寺田さんも日生町の頭島(かしらじま)でレストランを営んでいます。料理人として何ができるのか考えながら、地元の新鮮な食材だけを使って料理を提供しています。「“食べる”という日常的な行為にストーリーを感じることで、魚への意識が変わっていくのでは」と話します。

広石さんはソーシャルデザインの観点から「地域づくりには新しい仕事を作ることで人が集まり、仕事や役割を生み出すことで場が活性化し継続していく。地域の豊かさだけでなく循環させていくことで相乗効果が生まれ持続可能な地域活性につながるのでは」と資源を資本へ循環させていくことの重要さを語ります。

MOTTAINAI! 海辺の関心の低さ

かつての日本と海との関わりなどの話を交え、客席から寄せられたさまざまな質問や意見に目を通しながらそれに答えていく形でディスカッションが進んでいきます。たくさんの質問の中で「現在の海辺の関心の低さはまさにMOTTAINAI。海を身近に感じるためにどうしたら関心をもてるのか」という客席からの質問がありました。 それに対し天倉さんは「中高生の体験学習の一貫で、底引き網で獲った魚をみんなで調理し食べるという体験が魚への関心をもつことに繋がった。このように、体験して五感で海を感じることが重要」と語ります。 それに賛同した寺田さんは「関心を0から1にすることはとても難しいが、1にできたらそれを2から3、4へと自然と関心が高まっていくのでは」と提案し、「行ってみて、空気を感じてみて初めてわかることがあるのではないだろうか」と広石さんは続けました。

これからの海辺の風景を考える

岡野さんは「いつでもどこでも安価に物が手に入る現代だからこそ、大量生産大量消費ではなく、手間暇かける豊かさを楽しむ暮らしにシフトすべきだと思う」。寺田さんは「美味しいところに人は集まります。“美味しい”という重要な感覚を喜べる人を増やしていくために、技術の伝承など、料理人として社会に対して何ができるかを考え続けていきたい」。天倉さんは「“最高の海”とは人が集まり、漁が増えて、経済が回る。そしてそこには素晴らしい環境がある。そんな環境が30年後に求められる海辺の人づくり、街づくりだと思います」。広石さんは「私たちは匿名的なものを食べてきました。これからは、どこの産地?どういう経緯でどこから来ているか?を考えることで、今後の海辺の風景が変わるのではないでしょうか」と、それぞれの考えをまとめました。