REPORT
レポート

日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2019 基調講演

2019/11/29(金) 14:30〜15:15

2019.12.13
「1人が100歩行くよりも100人が一歩あゆみ出すために」


<登壇者>
小泉 進次郎氏(環境大臣 兼 内閣府特命担当大臣)


初回から4年連続で登壇された小泉進次郎環境大臣。
「毎年参加していますが、ソーシャルイノベーションが最も必要な環境省の環境大臣という立場になりました」と自己紹介され、環境省にしかできないことをテーマに、気候変動、海洋プラスチック問題を語られました。

まず、日本財団が実施した、環境問題に対する18歳を対象とした意識調査の結果を紹介されました。2015年の第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議にて採択されたパリ協定について、「聞いたことがある」と回答した方は71.8%にのぼる一方、「脱炭素」の意味を知っていると回答した方は31.3%(意識調査の要約は以下のサイトをご覧ください)。
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/11/wha_pro_eig_107.pdf

日本では地球温暖化という言葉をよく使われますが、世界に目を向けると気候変動、気候危機とまで言われ、危機感を募らせています。その代表格が、学生であり環境活動家のグレタ・トゥンベリさんで、フライデー・フォー・フューチャーは日本の若者たちも賛同し行動を始めています。また世界的に有名なイギリスのロックバンドのコールドプレイが、飛行機移動による環境負荷を考慮してワールドツアー中止した例を挙げられました。
そのうえで、「1人が行動を起こして多くの人が目覚めることも大事だけれども、1人が100歩行くよりも100人が一歩あゆみ出すことをどうやってできるかということも、環境大臣としてはすごく大切なこと」と小泉大臣は語られました。

パリ協定については、京都議定書が作られ日本もリーダーと言われた時代がありましたが、世界から石炭火力に対する批判を受けクールジャパンならぬ、コールジャパンと言われる現状に触れらました。環境相として、地域における脱炭素化の後押しをする活動として、「ESGファイナンス・アワード」という新しいアワード表彰制度を立ち上げ、来年の2月には受賞の方々を表彰して後押しする用意を整えているそう。


魚の数よりもプラスチックゴミの方が多い海を子どもに残したくない

もう一つの大きな地球規模の課題として捉えられているテーマは「海洋プラスチックゴミ」。この分野では、日本が先頭を走っており、中国が前向きな関与をし続けてもらえていることは大きな成果だと語られました。そして、「来月1月に自分の子どもが生まれます。30年後、子どもが30歳になる頃には、海は魚よりもプラスチックゴミの方が多くなってしまうのではないか。そういう未来を残したくない。海のない、砂浜のない、横須賀を見せたくない。そういう思いが私を動かしています」と、自身を動かしている原動力を熱く話されました。

企業や地方自治体の取り組みとして、イオンのレジ袋の有料化、スターバックスコーヒーの紙ストロー導入、京都亀岡市のレジ袋禁止条例を紹介。また、一般の人にもできることとしてマイボトルを持参され、行動を起こすことの大切さを呼びかけられました。
そして、「何でもいいです。一つでもいいです。一人ひとりができること。そして一つひとつの企業ができること。自治体の皆さんができること。そして全体を前に進める後押しを環境省はしっかりやっていきたいと思いますので、ぜひともに、ソーシャルイノベーションを実現していきましょう」と締めくくられました。