REPORT
レポート

自分で国や社会を変えられる? 9カ国「18歳意識調査」 驚きの結果を若者が議論!

2019/11/30(土)13:00〜14:00

2020.01.16
<登壇者>
小暮 里咲さん(慶應義塾大学総合政策学部1年 寄付月間2019学生チーム、東京学芸大学附属国際中等教育学校ソーシャルアクションチーム コーチ)
中村 伊希さん(青山学院高等部3年 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン)
セルバラジ ヤシュウィニさん(立教大学異文化コミュニケーション学部2年、UWC ISAK Japan出身、日本財団-ISK奨学金 スカラー)
ホー ティ クウィン チャンさん(早稲田大学社会科学部2年 UWC ISAK Japan出身、日本財団-ISK奨学金 スカラー)
岩本 悠さん(一般社団法人地域教育プラットフォーム 共同代表)


自分で国や社会を変えられる? Yes or No?

自分で国や社会を 変えられる? 9カ国「18歳意識調査」 驚きの結果を若者が議論!

このセッションに先駆けて日本財団は昨年の10月より欧米・アジア9ヵ国に住む17〜19歳の男女を対象にした「社会や国に対する意識調査」を行いました。その結果をもとに、各国が抱えた社会問題に対する意識の違いや共通項について議論する為、社会貢献に関心を持ち実際に活動している同世代の若者4人を招く運びへとなりました。

初めに主催挨拶として日本財団会長 笹川陽平氏が登壇すると「戦後、私たち国民は知らず知らずの内に主張する権利の裏には義務が存在する事を忘れているのではないか?」と指摘。2015年に選挙権年齢が引き下げられ18歳から投票に参加できるようになり、「日本という国や社会をさらに充実していく為に、これからの未来を繋ぐ意識や考えを知り、より良い方へと導き、力を借りて行かなければならない」と話しました。
そして「データはあくまでもデータ。結果によって悲観論を述べるのではなく、このような状況の中でも若者たちが夢や希望が持てる社会になるようリードして行かなければならない」と続けました。

それを受け壇上のスクリーンに調査結果が映し出されると会場からは大きなどよめきが聞こえてきました。自身について将来のことや解決したい社会問題、そして自分自身で世界を変えられるか?といった心構えまで様々な調査結果がレポートされます。
特に驚きの結果となったのは「自分の国の将来について」でした。「日本が将来良くなる」と答えたのは9ヵ国中最下位の9.6%。「悪くなる」と答えたのはイギリスに次いで2位と多く、「変わらない」が20.5%、「どうなるか分からない」が32%とそれぞれ9ヵ国中最多で「国の将来に展望が持てない」と答えた若者の割合が多いという衝撃的なデータでした。

意識高い系? 無関心からの解放

そんな驚きと失意の空気が会場を包む中、4人の若者たちが登壇しました。慶應義塾大学1年の小暮さんは高校生の時のボランティア部で、地域の魅力を若い世代に伝えていくjimotoプロジェクトの活動を振り返り「社会課題を考えたり議論したりすることは、そう考えない人たちにとって意識高い系の人たちがやっている自分たちには関係の無いことだと思っている」と語りました。

貧困や差別から子どもを解放することを目標に掲げるFTCJ(フリー・ザ・チルドレン・ジャパン)で活躍する青山学院高等部3年生の中村伊希さんは、国の将来に展望が持てないという若者が多く存在するという調査結果に対し「子どもには世界を変えることはできないと諦めることが恐ろしいこと」と話します。中村さんはFTCJの活動を通してそういう諦めや諦めを助長させる環境、そして無関心から若者を解放しボランティアは素晴らしいということを知ってもらいたいと客席に熱く問いかけました。

またベトナムの田舎町で育った早稲田大学2年のホー ティ クウィン チャンさんは、調査結果に上がった自国の数字を見ながら日本と比較し「日本の社会で18歳といえばまだ子ども。しかしその他のアジアの国では18歳は社会の一員として期待される存在」と回答。調査結果からベトナムの多くの若者たちは、貧困撲滅と教育問題を重要視していると分かりました。これは途上国であるがゆえに先進国と比べ自分たちがまだ低いレベルにあるのだと意識している結果だと言えます。「大人としての責任を与えられる環境が意識を変えていく」とチャンさんは語りました。

そしてインドからやってきた立教大学2年のセルバラジ ヤシュウィニさんは、長い寄宿生活の経験から休暇で帰国するたびにインドでの社会問題の深さにショックを受けると語りました。「貧困、食糧不足、そして乳幼児死亡率の高さの背景には、女性に対する抑圧蔑視が存在する」と指摘しました。また日本の若者とインドの若者の大きな違いは自由という概念の違いだと続けます。男性支配型の社会制度が強いインドと比べ、日本には自由がありそれが当然の事だと皆が認識しています。しかしヤシュウニさんはそれをとても限定的だと感じた様子です。目立つことを嫌い、出る杭にはならない生き方をする日本人をとても不思議だと話しました。

社会改革は全ての人たちによる共同作業

今回の調査結果と4人のディスカッションを受け、若者と接している大人代表として東京学芸大学附属国際中等教育学校の藤木先生のコメントが紹介されました。

小暮さんの恩師でもある藤木先生は「日本の若者の関心はニュースなどで取り上げられるトレンドからであり、理解が難しい社会課題は自分ごととして認識できていない」とコメント。普段のカリキュラムの中で費やす時間が多い割に選択肢が少なく、学校、塾以外に社会との接点がなくなり無知な状態だと言います。「意識を変えるには一緒に走る伴走型の支援が必要」と提案しました。
そしてもう一人の大人代表として第一回日本財団ソーシャルイノベーター最優秀賞の岩本悠さんがサプライズで登壇。自身が取り組む「学校魅力化プロジェクト」を例にあげ、「自分たちがチャレンジしている姿を見せ、大人たちが背中を押し、頑張っている人を応援し合う社会にすることが重要」と訴えました。

最後に聴衆者からの質問を受けて、「大人は世界を動かす力を持っています。そして若者はそのサポートを大人に求めている」と結びました。社会変革はすべての人々の共同作業なのだということを理解し、日本は変わっていける事を実感したところでセッションは終了しました。